そういえば

横浜→仙台へ移住したばかり。

実際問題

もう亡くなった祖母は読書が好きな人だったけど、いつだったか言っていた。
「おばあちゃんね、最近もう小説とかあんまり読まないの。エッセイとかノンフィクションとかね、そういうのが好き。空想の物語じゃなくてね。ホントのこと」


先日、美容院で待ち時間に読んだ雑誌ブルータスがとても面白くて、帰宅後にAmazonで買った。

「ドキュメンタリー好き。」という特集。


ヘタレだから、あんまり怖いドキュメンタリーや不都合な真実は見たくないけど、見てみたい作品もたくさんあった。
細かい文字を読みながら、祖母の言葉を思い出し、そういえば私もずいぶんあの時の祖母に近づいてきたな、と思った。
空想の世界じゃなくて、エッセイやノンフィクションやドキュメンタリーの多い世界。


だって、この歳になっても本当に驚くのだ。
世の中こんなにもいろんな人がいるのだな、ということに。
世の中にこんなことってあるんだな、ということに。
いい意味でも悪い意味でも。

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人が夢を追う姿、老いていく様、何かに打ち込んで継続していく姿に感銘をうけたり、胸をうたれたりもし、ごく当たり前の顔をして歩く人たちの意外な闇、人としてわかりあえない姿を見て慄いたりする。
なにが普通なのかもわからなくなり、なにが本当なのかもわからなくなる。


どんなことでも知りたくなったり、どんなひどい境遇も「他人に伝えなければ」と使命感をもってしまったり、それでいて長年隠してきた暗い秘密があり、かと思えばストイックに光を目指して登り続けようともするし、いともたやすく残虐な行為をし、いともたやすく落ちぶれる。


実際問題、人間って恐ろしいものだね。
そんな姿を見たくて知りたくてたまらずにいるんだものね。