そういえば

横浜→仙台へ移住したばかり。

亀との遭遇

この前の亀で思い出したが、亀のことも割と気にかかる方だ。
dengpao90.hatenablog.com

昨日はこんなニュースを見かけた。

親と子、孫、ひ孫の4匹の亀が重なる…「撫で亀」石像 触ると長寿に 岡山県瀬戸内市牛窓神社にお目見え

news.yahoo.co.jp

石像は、御影石の台座の上に仲むつまじい親と子、孫、ひ孫の4匹の亀が重なっている。高さ75センチ、幅、奥行きはともに55センチ。長生きで知られる亀にあやかって祈りをささげられる。

かつて、亀が重なるなんて絵画やマンガの中の話だと思っていたが、あれらは本当に重なる生き物だ。
初めて亀が重なる様を見たのは広島城のお堀だ。法事の後の中途半端な時間をどうにかしようと家族総出で広島城でタクシーを降りた。そして一家全員、身投げでもするような角度でお堀の亀を見つめていたのだ。

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川越の寺で。

当時の職場には同棲中の彼氏と一緒に亀を育てている女子がいた。彼女は喧嘩の際、彼氏に言われたそうだ。
「お前はもっと亀を大切に扱え!」
そんな痴話喧嘩もあるのか、と思った。


そんな風に、折に触れて亀に出会い、この生き物はなんだ、と立ち止まる人生だ。

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これはスペイン旅行で行ったサグラダファミリアの入り口に居た石の亀。
「時が経っても変わらない、普遍のもの」の象徴だそうだ。

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そしてこれは金毘羅さんの参道の亀。見つけた時、はっと息をのんだ。
サグラダ・ファミリアの亀と同じ!」
初めて知ったことだが、これは亀趺(きふ)と呼ぶのだそうで、この亀は「贔屓」という中国の伝説の生き物なんですって。

贔屓は龍が生んだ9頭の神獣・竜生九子のひとつで、その姿は亀に似ている。重きを負うことを好むといわれ、そのため古来石柱や石碑の土台の装飾に用いられることが多かった。日本の諺「贔屓の引き倒し」とは、「ある者を贔屓しすぎると、かえってその者を不利にする、その者のためにはならない」という意味の諺だが、その由来は、柱の土台である贔屓を引っぱると柱が倒れるからに他ならない。 wikipediaより

重きを負うことを好むのか…。なんだか人間の都合のようで疑わしいが。
ちなみに上海で見た亀っぽいものは特に重きを負うてはいなかった。

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我が家に猫が来る前、何かペットを買いたいなと思ったことがあった。リクガメはどうだろうか、とか。
けれどいろいろ調べるうちに気づいたのだ。私にはもう、亀を飼うだけの人生は残っていない、ということに。
なにせ亀は40年だの60年だの生きるのだ。

ドラマ エレメンタリーの中でも亡くなった誰かの亀を引き取ったホームズが「自分が死んだら亀を頼む」と言っていた。
亀とは盆栽と同じく遺産のように人から人へ引き継がれるものなのだな。

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動物園の亀

もはや亀を飼うだけの寿命は残っていないが、それでも残りの人生の中でまた何度も何度も亀と遭遇し、「なんだこの生き物は」と立ち止まることだろう。
そしてそのことをやたら鮮明にいつまでも覚えていたりするのだ。
おかしなものね。



※2017/04/25「亀は支える」改訂