お約束

気に入った本は何度も読むし、好きな映画やドラマは何回だって見る。
この先どうなるかはわかっていたって「あのシーンだけもう一度見たい」「あの場面をもう一度読みたい」と思う。
落語や浪曲や講談も同じ話を何度でも聞くし、ハイキングや旅行なんかでも同じ山、同じ場所に何度でも行く。
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若い頃からそうだったけど、年をとると尚更だ。
本を読んだり映画を見たりしても「新しい話って疲れるな」と思ってしまうことがある。
勝手知ったる、この先どうなるかわかっている話の方が安心して楽しめるのだ。

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ああ、お年寄りが水戸黄門やら暴れん坊将軍やらのお約束時代劇が大好きだったのって、こういうことだったんだな、と今にして思う。
「先が見えないハラハラドキドキ」はもう疲れる。大体、自分の人生がそういうハラハラドキドキな綱渡りなのだ。娯楽ぐらい安心して楽しめる方がいいに決まってる。
「新しいものが受け入れづらくなる」というのにはこういう心持ちのせいもあるのだな、と思った。

dengpao90.hatenablog.com
先日、「忠臣蔵 暁の陣太鼓」を見てしみじみ、昔の映画っていいわー、白黒の時代のあのおおらかな感じいいわー、と思い、amazonプライムで「弥次喜多道中記」を見た。

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www.nikkatsu.com

弥次喜多道中記
 製作:1938年
 監督:マキノ正博
 上映時間:97分
 配給:日活
 出演:片岡千恵蔵杉狂児、比良多恵子、ディック・ミネ、楠木繁夫、河部五郎、瀬川路三郎、香川良介 他


いやはや、良かった。面白かった。
戦前の映画なのにちょっとしたミュージカルだし、遠山の金さんと鼠小僧がひょんなことから弥次さん喜多さんになりすまして東海道を旅する、という荒唐無稽な筋書きもいい。
最後、ハラハラする場面もあるが「この時代のこういう系統の話なら絶対に絶対に丸く収まり楽しく終わるはず」という安心感をもって見ることができた。


お約束をどうもありがとう。
昔の映画がもっと見たい。