そういえば

横浜→仙台へ移住したばかり。

カレーなる旅


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次郎のいってるのはライスカレーだ。こんな生意気な偉そうな___カレーライスとはちがうンだ。
ライスカレーっていったらこんなもんじゃなく、最初からめしの上にカレーがデレッとかかってて、福神漬けとラッキョウがついてて、スプーンは水のコップにつっ立って出てきて、ジャガイモ、人参がゴテゴテ入ってて、グリンピースが上に三つある。必ず三つだ。これはキメだ。それで、少し置いとくと上に膜がはって

倉本聰のドラマの中で一番好きなのはライスカレーだ。今やなかなか見れないからこそ、折りに触れて見たくなる。
何年か前にCSの日本映画専門チャンネルで放送してくれてたけど、またやってくれないかな。FODはどうして配信してくれないんだ。ライスカレーと火の用心が見たいのに。
見ることができないからシナリオを買ったくらい好きだ。

布施博陣内孝則時任三郎、あの頃みんな若かった。

田中邦衛が亡くなった時も、北の国からよりライスカレーを思い出した。
冒頭のあのライスカレーについて語るセリフ、バカバカ言いながら若者を小突く姿がもう最高なのだ。室田日出男もいたし金子信雄もいた。藤谷美和子が可愛らしかった。最高に贅沢だ。



カレーといえば、先日友人から北の富士カレーをもらって食べた。パッケージにはこう書いてある。

北の富士さんが自ら腕によりをかけて作った昔懐かしいカレーの味を忠実に再現しました。

けれど食べてみて思ったのだ。
これは懐かしいカレーだろうか
まず一発目に甘さが来る。林檎かチャツネかはちみつか…。そしてハヤシライスのようなコクがある。
昔のカレーはこんなじゃなかったような気がする。そもそも昔のカレーはもっと黄色くなかったか。それこそ「ライスカレー」のような。
これは近年の流行スタイル「いろんなものが入ってフルーティー感あふれるカレー」なんじゃないのか。

崎陽軒の「横濱かりぃ」もそうだった。茶色くてフルーティー。それもそのはず、原材料には「小麦・ごま・豚肉・りんご・大豆・バナナ」と書かれている。


スタンダードなカレーってどんなのだっけ。
そう思って、出勤日にインドカレー屋に行くことにした。もうカレーの原点まで戻ろうと思ったのだ。

北インドのカレー屋さんのチキンカレー。顔よりデカいナンがついてくるタイプ。
色は私の求めていたカレー色。味は甘くはないけどコクもなく、しゃびしゃびのカレースープ。
インドのカレーが日本のスタンダードではないのだから、スタンダードを思い出すならCoCo壱番屋にでも行くべきだった…と若干後悔。


私は今なら冒頭のドラマ「ライスカレー」で田中邦衛がとうとうと述べるライスカレーへの思いを理解できる。
生意気な偉そうな、バナナだの林檎だの言うようなカレーライスじゃないんだ。昔懐かしいカレーてのは。
ワインだのハチミツだのインスタントコーヒーでコクを出す、だのじゃないんだ。グリンピースが上に三つ、あればいいけどなくてもいい。キリっと辛くて汗を流しながら食べるようなカレーだ。


幸い職場はカレーの町、神保町だ。
私は出勤日のたびに懐かしのカレーを探す旅をしてやる!カレー将軍になってやる!と心に決めた。


…決めたらなんだか包丁人味平読みたくなってきた…。