そういえば

横浜→仙台へ移住したばかり。

大きな贈り物

10年近く前に大磯の吉田茂邸に行ったことがある。

その際、入り口の兜門の説明に度肝を抜かれた。

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これが兜門

サンフランシスコ講和条約締結を記念して建てられた門で、別名「講和条約門」とも言われています。
軒先に曲線状の切り欠きがあり、兜の形に似ていることから「兜門」とも呼ばれます。

すごい。
確かにサンフランシスコ講和条約締結はものすごい大仕事だ。これでやっと戦争が終わるのだ。どうやって、どういう条件で幕引きするか、日本の今後がかかっている。


しかし、大きな仕事を成し遂げた時に「やった、やり遂げた!家に門を造ろう」と考えつくところがすごい。
それだけの大きなお家があるからこそ思いつくのだろうが、常人には全くもって思いもよらないじゃないか。
昔の偉い人って大きなお屋敷に住んでいる分、やること違うよな、としみじみする。



私の好きな中国ドラマ「琅琊榜 -麒麟の才子、風雲起こす-」の中でも、皇帝への誕生日プレゼントは「寿」という字の形をした大きな石だった。
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皇帝は三兄弟からの贈り物の中で、この石が一番お気に召したようだった。きっと置く場所があるからなんだろう。この石を置いて毎日眺められるような部屋や庭や寝室なんだろう。


5年ほど前には高松の栗林公園に行った。美しい日本庭園だ。
庭園の中の説明書きを見て回ると、ああ、こういう庭園は偉い人がお客様をおもてなしするために作られたのか、と感心する。
景色に趣向をこらしたり、滝を作ったり、おもてなしの精神が随所に見られる。
その中でも、なるほど、と思ったのがこれだ。
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島津公から贈られた石。
案内板には「江戸時代、各藩の大名が築庭する際、藩主が互いに名木奇石を贈るなどしたものである。」と書いてある。


このヘンリー・ムーアの彫刻みたいな石を見て、昔のお侍さんたちが何人も「ほうーーー」とため息をついたり「いや、さすがに島津公、お目が高いですな」などと言いながらぐるぐると眺めたんだろうか、と想像してしまう。


そして名木奇石を探したり贈ったりしながらウキウキしている様も想像する。
いいな、石を贈り合う仲。
大きな石を飾れる家。