そういえば

横浜→仙台へ移住したばかり。

死後さばきにあう

お酒やTシャツが売られているのは知らなかった…。


渋谷あたりに行くとキリスト教らしき人たちが拡声器で「死後さばきにあう」と繰り返すが、仏教徒であっても死後さばきにあう。
裁くのは地獄の王様 閻魔大王だ。


今年に入って、もう2回閻魔様にお会いした。
一度目は深川閻魔堂の閻魔様

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肩の模様は入れ墨だろうか。遠山の金さんみたいだ。


二度目は世田谷 九品仏の閻魔様

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まだ新しい閻魔堂だった。お顔は怖め。


この2つの閻魔様、驚くことにどちらもお賽銭を入れると喋る仕組みだ。
深川閻魔堂は、自分の願いの場所にお賽銭を入れると閻魔様が朗々と喋りだす。

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こういうやつ


「嘘をついてはいけない」とか「笑顔を絶やすな」とか言ってくれるんだけれども、なんかこう「中国やタイで出会いそうなタイプだなあ」とか「閻魔様というのはこういうハイテク仕様が流行りなのか」とか、どうにも雑念で頭がいっぱいになってしまう。


九品仏は閻魔堂の外にも「嘘をつくな!」というのぼりが何本も立っている。
それを見てやっと思い出した。そうだった、閻魔様は嘘にとても厳しいのだった。嘘をつくと舌を抜くほどの厳しさだった。
調べたところ、死後の裁きの過程はこうだ。

  1. 死後、三途の川を渡り閻魔大王の法定にいき、生前に悪いことをしなかったかという尋問を受ける
  2. 閻魔大王は裁判資料として、生前の行いを記録された閻魔帳という資料をもとに取り調べを進める。
  3. 閻魔王の法廷には、浄玻璃鏡という特殊な鏡が装備されている。この魔鏡はすべての亡者の生前の行為をのこらず記録し、裁きの場でスクリーンに上映する機能を持つ。そのため、裁かれる亡者が閻魔王の尋問に嘘をついても、たちまち見破られる。


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去年だけで145万人死んでいるらしいので、閻魔様も相当な激務であろう。
閻魔帳も、浄玻璃鏡もあるのに、本人にわざわざ自白させるのだな。145万人も裁くならもう少し簡素化していいのではと余計な心配をしてしまう。
それと同時に自分が裁かれる日が来たら、一体なんと答えればいいのか、と考えてしまう。


「生前に悪いことをしなかったか」という問いだが、ちょっとふんわりしすぎじゃないか。
どこからが「悪いこと」になるんだろう。どんな嘘からが「舌を抜かれる嘘」になるんだろう。
嘘を一度もついたことのない人なんているのだろうか。
「サンタクロースが来るよ」というのは嘘になるんだろうか。小さな弟に言った「大仏様の頭のブツブツね、あれは大豆!」というのも嘘だろうか。

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ドラゴンボールにも閻魔様出てきたな。


死後、さばきにあって、閻魔様に「お前は生前悪いことをしたか」と言われたら、「何をもって悪とするかによりますね」と面倒くさい回答をしてお時間を取らせてしまうのだろうなあ、と思っている。


死後の裁きに向けて、受験の「傾向と対策」みたいなやつとか、就職活動の面接マニュアルみたいなものがあればいいのにな。
そんなに悪いことして生きているつもりはないけど、閻魔様の怒りポイントがわからないもんな。
やれやれ。