そういえば

横浜→仙台へ移住したばかり。

らくだ有料

友人が東北サファリパークに行ってきたらしく、LINEで動物たちの写真を送ってくれた。
その中にフタコブラクダの写真があった。


カリンちゃん、6歳らしい。
なんだかずいぶんふくよかで、横顔が妙に色っぽいじゃない。
私が今まで出会ってきたらくだとなんだか違うじゃないの、と思う。


それで一生懸命手持ちの写真フォルダの中のらくだを探したけれど残っていたのは1枚だけだった。

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2017年 ズーラシアにて働くらくだ。


確か野毛山動物園で高齢のラクダにも会ったよな、と思ったが、写真がなかった。
野毛山動物園ラクダ ツガルさんは私と同い年だった。私が初めて会った時は37歳。飼育員さんが「ものすごいおばあさんです」と言うので、同い年なのに…とちょっとしょんぼりしながらヨボヨボのツガルさんを見つめた。
そしてその翌年、ツガルさんは38歳で亡くなったそうだ。


らくだと言えば、初めてらくだを近くで見たのは鳥取砂丘だったはずだ。その前にも動物園で見ていたかもしれないが、記憶にない。
もう20年以上前に友人たちと行った鳥取砂丘には砂丘らしく、ちゃんとらくだがいた。「本当にいるんだな」と驚いて写真を撮っていたら、らくだ使いのお兄さんに「らくだ有料ですから!」と怒られた。

らくだ有料!!
写真撮影が有料という意味らしい。そのシビアさ、そしてその言葉のシュールさにまたしても驚いたし、今でも驚いている。
およそ人生においてそんな怒られ方することあるか。らくだ有料、て。


友人が送ってくれたらくだの写真から、そんなことまで思い出したらなんだからくだが見たくてたまらなくなった。


かつては動物園に散々通い詰めた私なのに、手持ちがズーラシアラクダしかないだなんて。
あの東北サファリパークのカリンちゃんのふくよかな笑顔に勝てるラクダの写真がないだなんて。
なんだか悔しい気持ちにもなっている。


動物園の入園料を払えば写真を撮っても「らくだ有料ですから!」と怒られることもないだろう。
でもきっと写真を撮りながらちょっとびくびくするんだろう。心の中にあの「らくだ有料」の声が響き渡って。

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奥さんご存知?らくだ有料なんですってー。