そういえば

横浜→仙台へ移住したばかり。

箱に詰める

以前に引っ越しの見積もりを取ったときに、業者さんに「一人にしては物が多いですね」「え?1DKですよね?」と驚かれた。
自分ではそんなに物の多い暮らしをしているつもりはなかったけれど、コロナ禍や戦争が始まった恐怖で猫餌だのなんだのいろいろ買い貯めていたこともあり、恥ずかしながら物が多いみたいだ。
ミニマリスト流行りの昨今なのに。

ホーチミンの市場にて。こういうの結構好きよ。


世の中には引っ越しが大好きな人もたくさんいるらしく、2年更新のたびに引っ越したりするらしい。その身軽さがいつもちょっと羨ましい。


友人のかえる姉さんが昔、仕事を続けるかどうか悩んでいた頃に、電車の中でふっと言った言葉を思い出す。
「あたしね、丑年なの」
突然何かと思ったが、姉さんは続けた。
「牛ってね、一度よいしょって座ったら、お尻が重くてなかなか立ち上がれないの。だから、仕事を辞める勇気もなかなか出ない」


なるほどな、人はいろんなところに自分の感情の根拠を求めるものなのだなあ、としみじみ感心して、そして時折あの言葉を思い出す。
自分が引っ越し作業をするときは特に。
私は丑年じゃないけど、引っ越しが大好きな人みたいに身軽に動けないし、一度落ち着いたら、できる限りそこにいたい。丑年じゃないんだけども。

動物園の牛


そう思いながらも粛々と生活を箱に詰めていく。引越屋さんからもらったダンボール30箱で足りるのか怯えながら詰め始め、最終的に32~33箱でなんとかなりそうだな、というところまで来た。
すぐには使わないものから詰めたはずなのに、「あ、やっぱあの本が読みたい」「オンライン面接あるからスーツ必要だった」「どこに入れたっけ」とせっかく閉じたダンボールを何度も開けたり閉めたりしている。

時ににゃんこパレスにもなるダンボー


徒労感の中で己の計画性のなさに呆れかえるけど、生活のすべてが、人生が、30箱程度のダンボールと家具だけだなんて、それってそんなに「荷物が多い」のかしら。
と負け惜しみをひとつ。