そういえば

横浜→仙台へ移住したばかり。

MONSTER

コロナ禍になって、在宅勤務ができるのはとてもありがたかった。
毎日通勤しない楽さがあったし、仕事ってこんな風にも進められるんだ、という新たな発見も学びもあった。
だけど、そんな中で知らず知らずどんどん、心が引きこもっていったような気がする。


そうして自分の心の中にモンスターを飼って、暗いニュースを聞きながら、悲観的なモンスターをどんどん大きく育てて、そのモンスターに傷つけられていた。
「いい年して」「一生このままで」「誰も助けてくれない」「一人で全部なんとかしなければ」「みんな自分のことで忙しい」みたいに。

靖国神社レリーフ


今回、仙台に引っ越すと決めてから、なんだか、私はすごく驚いている。
私が思っていたよりずっと周りの人は優しかったし助けてくれるものだ。全部一人でやらなければいけないシングルマザーの心持ちで、怖くてさめざめ泣いたり、怯えながら荷造りをしていたのに。


弟は快く家の連帯保証人になってくれ、あれこれの手続きや手伝いも面倒がらずにやってくれた。
仙台の友人は本当に親身に細かな相談に乗ってくれ、「収入が減っても、飢えることは絶対ないから大丈夫。野菜もどこかから回ってくる」と、力強く励ましてくれた。
懸案事項だった親の件も拍子抜けするくらいにスムーズに行ったし、友人たちは皆「寂しくなるけど頑張って、何かあったら手伝うから」と励ましてくれた。


職探しの派遣会社の営業さんも、皆気さくで親身になってくれたし、何よりずっとご無沙汰して不義理を重ねていた昔からのブログのお友達も皆、優しかった。
私はもう、こんな不義理ではとっくに「知らない人」扱いになっていてもおかしくないと思っていたのに。

サグラダ・ファミリアキリスト像


もしかしたら、会社だって私が一人でぐつぐつと煮詰まっていただけで、周りの人は皆不思議がっていたのかもしれない。


もう一人であれこれ考えすぎて、心の中にモンスターを育てあげるのはやめようと思った。
妄想のモンスターにバリバリと食われて一人で傷ついて人間不信になるなんてバカみたいだもの。


世の中は、思っていたより優しい。それはすごく幸せなこと。