野生の王国
以前に仙台に遊びに来たときには道の駅にたくさん連れて行ってもらって、野菜をかついで関東に帰った。
その中でも印象的だったのはなめこだ。
なめこと言えば、私はよくある、四角いパックに入ったものしか知らなかった。
だが、道の駅で売られていたなめこは違う。もっとワイルドでデカくて、色も黄色っぽかった。
失礼ながら「ハチミツとクローバー」という漫画にでてきたヌメリなんとか茸を思い出した。
しかし、そのなめこでお味噌汁を作ったら、もう最高に美味しかった。味が濃くて香りが強くて野性味あふれる味。
あれ以来、仙台に来るたびに「野生のなめこが欲しい」と言い続けてきた。
今日は友人鮭太郎に農協の直売所に連れて行ってもらった。店内に一歩足を踏み入れた途端に大興奮だ。
こんな！新鮮なきゅうりが5本で150円？トマトがこの値段？え！鶏肉が！！
大興奮してわーわーうるさい私に鮭太郎は言った。
「まめちゃんの好きななめこあるよ」
あった！野生のなめこ。早速お買い上げだ。
野生と言えば、先日農家の娘からいただいたきゅうりもじゃがいももピーマンも野性味がすごかった。
ここ最近、きゅうりのアク抜き方法がネットで話題になっていたけど、うちもずっとあのやり方だった。
だが、あのくるくるで出てくるアクの量が、関東で買うきゅうりとは違った。
そしてアク抜きをしてもまだ、すこし苦かった。ケチらずにもっと大きくヘタを落とすべきだった。
ピーマンも味が濃かった。東北の野菜はワイルドだな、としみじみする。
野性味あふれる大きさの、立派な椎茸もぞんざいに積まれている。
にんにくの種類がなんでこんなにあるんだ。
生にんにくなんてネットに1個入ったやつが、根菜コーナーの片隅にひっそりあるだけのものだと思っていたのに、海外の市場のごとく、にんにくがならんでいる。このラックの下には袋詰の乾燥豆が各種並んでいた。
すげーな。みんなこんないろんなにんにくを使い、いろんな豆を食べているのか。
そして何より驚いたのはズッキーニだ。
鬼の金棒くらいのサイズなのだ。撲殺できるやつだ。
これは本当にズッキーニなのか。私の知ってるズッキーニはイボのないきゅうりみたいな大人しいやつなのに。
未だにズッキーニを自分で調理したことがないので、チャレンジしたいとは思っていたが、こんなワイルドなズッキーニじゃ初心者にはハードルが高すぎるので今回はあきらめた。
帰宅後、買ってきたトマトを食べたら甘くて味が濃くて驚いた。
なんという野生の王国なんだ、ここは。
生産地の人はさすがにいいもの食べてるな。
