ふるさとの訛り
ふるさとの 訛なつかし 停車場の 人ごみの中に そを聞きにゆく
石川 啄木
仙台生まれ仙台育ちの友人鮭太郎は、大学時代からしばらく関東にいたせいか、ほとんど東北訛りがない。
なので、今までそれほど意識せずにいたけれど、やはり仙台には、若干の東北訛りがある。のんびりして平坦な抑揚の喋り方。
働きだして驚いたのは、男性の方が訛りが強いということだ。女性は声の高さもあるのかそんなに訛を感じないのだけど、男性はなんだかすごい。
濁点がいっぱいついている喋り方で、一瞬聞き取れないこともある。
仕事中も普通にみんなその強めの東北訛で朝礼や電話対応をするので驚いた。
前職でも仙台支店の営業さんと話すことは時々あったけれど、全然そんな訛りを意識したことはなかった。
あの方々は「東京に電話をかけるから」と気を遣って話してくれていたんだろうか。
若い男子でも、オシャレヘアスタイルでもトンガリ靴履いててもちょっと強めの東北訛りだ。
のんびりしてて和むけど、聞き慣れない言葉の中にいる寂しさも少しある。
そんな中、今日は昼休みに、いつも購入している基礎化粧品を買うために銀座の化粧品屋さんに電話注文をした。
久々に関東の人としゃべった。
キリキリハキハキする感じ。地方の人から聞いたら冷たく感じるのかも、せっかちだと思うのかもしれないビジネス口調になんだかすごくほっとした。
石川啄木は東京に来て、ふるさとの訛りが懐かしくて上野駅にでかけていって方言を聞いていたけど、私はどうしよう。仙台駅の新幹線乗り場でも行くかな。
まあ、テレビをつければ関東の言葉なんていくらでも聞くことができる。
でも、そうじゃなくて、自分に話しかけてほしくなるんだよな、関東の言葉で。
もしかしたら、これがホームシックなのかしら。
なんだかんだあの言葉で育ってきたから、あれが私が一番「ほっとする言葉」なんだな。