そういえば

横浜→仙台へ移住したばかり。

ゴトオの部屋

今日は友人鮭太郎とくまちゃんがうちに遊びに来て、別に何をするでもなく、ただだらだらとすごした。


猫カフェマンガ喫茶という感じで、猫を構いながら黙々と漫画を読み、枝豆を湯がいて食べたり、松島航空祭のライブ映像なんか見たり。
くまちゃんがわざわざ買ってきてくれたひょうたん揚げも食べたし、鮭太郎と閖上の朝市で買った味噌おにぎりも食べた。




3人でいるのにみんな漫画を読んでいてシーーーンとしていたり、時々おしゃべりしたり。



今はもう疎遠になってしまったけれど、中学校から20代にかけゴトオと言う友人がいた。病弱だったこともあり、ご両親から大変甘やかされていた彼女はおこずかいもたくさんもらっていて、漫画やCDの新刊をいつも必ず揃えていた。当時、自分の部屋に専用のテレビがある、なんていうのもゴトオくらいのものだった。


そんなわけで、友人たちと遊ぶ時はだいたいゴトオの家に行って、ただ黙々と漫画を読んだり、テレビを見たりしていた。みんなで泊まり込んで明け方まで同人誌を読み漁ったり、ドラマCDを聴いて身悶えたりしたこともある。
北斗の拳を初めて読んだのだって、ゴトオの部屋だった。立派な愛蔵版があったのだ。美味しんぼを延々と読み進めたのもあの部屋だ。



大人になって、ゴトオと疎遠になってしまって、それでも時々あの部屋を思い出した。当時の私が欲しかった漫画、欲しかったCD、欲しかった同人誌が一番揃っていたのはあの部屋だった。どんなマンガ喫茶だって、あんなに偏ったラインナップではないはずだ。
今もしもゴトオと再会したって、もうあの時のあのラインナップでもないし、あの時のあの部屋でもない。


埼玉から横浜に引っ越したあとだって、何かあれば所沢のゴトオの家まで行って話し込んだ。それぞれの、未練がましい恋の話なんかも延々とした。



それこそ「耳をすませば」の雫とゆうこみたいに。こんなに乙女テイストなお部屋じゃなかったけど。
なにせ「北斗の拳」愛蔵版が燦然と輝く本棚がそびえ立つ部屋だ。
懐かしいな。もう戻れないあの部屋が恋しい。


あの時、ゴトオの部屋で過ごしたみたいな時間を今日は我が家で仙台の友達とすごした。
私の漫画や本のラインナップはあの時のゴトオの部屋みたいに魅力的だろうか、なんて思いながら。
ゴトオの部屋を懐かしく思い出して比べてしまいながら。
ずいぶん時が経って、ずいぶん年も取ったのに、中高生の頃と何も変わらないな、と苦笑いしながら。