そういえば

横浜→仙台へ移住したばかり。

なんのため

現在、絶賛転職活動中のわたくし。


木、金、と面接を受けてきた。
そして2次面接へ進むために週末に適性検査を受けた。
適性検査というのは、性格の傾向を測定する問題と、基礎能力を問うSPIの2本立てだ。
性格の傾向はどうにもならないのでしょうがないが、問題はSPIだ。
テストの内容はだいたい言語(国語の論理推論)、非言語(数学)、英語で時間制限がある。



取り急ぎ模試を受けて、まあ愕然とする。
私がSPIを初めて受けたのは30代での転職活動のときだった。その時の私は大変ご立腹だった。
「30代に植木算とかやらせないでよね!もう!失礼しちゃう!」


40代の今、私は思っていた。
「人はいつまで当たりくじの確率だの、30分前に出発した時速XkmのPに時速YkmのQが追いつく時間だの、赤玉白玉10個の中から5個を選ぶときの組み合わせだのを考え続けなければいけないのか」

白いスワンボートと黒いスワンボートの順列組み合わせ


学生時代、だんだん難しくなっていく数学の教科書を恨めしく見ながら「こんなの実生活で何の役に立つんだよ、平方根なんて使うか!」と思っていた。
大人になって、塾講師になった友人ヤマダは「子どもたちに”勉強ってなんのためにするの”と聞かれたら、俺は答えている。”念のためだ!”とな!!」と言っていた。あの時は「そうだよね、歴史や美術の知識があれば旅先や美術館も楽しいし、知っていることで世界って広がるしね」なんて言って、大人の顔してうんうんとうなづいていたのだ。


でも今になってわかる。ホント「念のため」だね、ヤマダ。
このご時世、人はいつ何時、どんな理由で転職活動することになるかわからないんですよ。そんな時にすっかり忘れていた確率や組み合わせや階乗、植木算、旅人算が出てくるんですよ。
しかも、そんな公式どころか、40代はもはや、小数点の計算や分数の割り算に不慣れになっている。
更には問題を読み解くことに不慣れになり、長文を読むスピードも格段に落ちている。

キリッとした顔をしているが、何も考えていない。それが猫と私。


この面接がダメだったら、また次の面接を受けて、そしてSPIを受けたりもするだろう。ああ、バカバカ、なんで私はSPIのことをすっかり忘れていたのだ。ヒマはいくらでもあったのに。


勉強は何のためにするのか。それは念のため。
数学が何の役に立つのか。それは転職。
世の学生さんたち、いいか、たとえ文系に進もうともSPIレベルの勉強だけはやるんだ。しかも一生やるんだぞ。ゲームの代わりにやっておけ。
ボケ防止にも不意の転職にも役に立つんだから。



私もこれからはボケ防止のためにも、念のためにもSPIの勉強を続けておこう。
猫の安らかな寝顔を守るため、自分の生活を守るために。