イエスがガリラヤ湖のほとりを歩いておられたとき、ふたりの兄弟、ペテロと呼ばれるシモンとその兄弟アンデレをご覧になった。彼らは湖で網を打っていた。漁師だったからである。
イエスは彼らに言われた。「わたしについて来なさい。あなたがたを、人間をとる漁師にしてあげよう。」
彼らはすぐに網を捨てて従った。
マタイの福音書4章18-20
子供の頃、しばらく教会学校に通っていたことがあるけど、人間を漁る漁師ってなんのことだかよくわからなかった。
年の離れた弟たちはキリスト教の幼稚園に通っていて、幼稚園で習ってきた賛美歌を家の中で大声で歌っていた。
その中にこの、マタイの福音書の歌もあった。
今はこんな歌詞なんだな。
「人間をとる漁師に 漁師に 漁師に 人間をとる漁師にしてあげよう」
弟たちが歌っていた頃は、「すなどる者とせん 主イエスは言いたもう」という歌詞だった。
あの歌がなかったら「すなどる」という言葉をずっと知らずにいただろう。「漁る」と書くのだなあ。
あの頃5歳くらいだった弟たちはあの言葉の意味を知っているかしら。
あの歌を思い出したことで、今更気づいたけれど、まんが「ぼのぼの」に出てきたスナドリネコさんは「漁り猫」だそうだ。
魚食の野生ネコで川に入って魚をとるんだって。
さて。
先日、仙台の友達と温泉に行った時に、友達が「この体洗うタオル使ってみてー。超いいんだよ」と貸してくれたのは漁師の網だ。
全く知らなかったけど、今はこういうものが結構あちこちで売られているらしい。
銚子や小田原や三浦半島、真鶴など漁師町に行くと、いつもあちこちで網が干され、そしてゴミ捨て場のカラスよけネットに使われているのをみてきたが、体洗いにもなるのか。あの網は。
硬さも泡立ちも水切れも良かったので、早速購入した。
届いたものを広げたら、まごうことなき網だ。
頭の中にあの賛美歌が流れ出すほどに網だ。
♪すなどる者とせん、主イエスは言いたもう〜
夜更けにそんな歌をうたいながら、とりあえず猫を捕獲してみた。
「人間をとる漁師」の意味はいまだにわからないが、「猫をとる漁師」にはなれたようだ。
これで私も「漁る者」