そういえば

横浜→仙台へ移住したばかり。

本・マンガ

今は昔

古代エジプトの遺跡だのメソポタミアの遺跡だの、そんなものにも「最近の若者は」といった愚痴が書かれているという話を時々聞く。 そう思うと、人はいつの時代でも常に過去と現在を比較し、そして積み重ねてきた日々を憂えたり、感銘を受けたりしているもの…

奇跡の人

ガラスの仮面 1~49巻セット (花とゆめコミックス)作者:美内 すずえ白泉社Amazon この前、うちで「だらだらと漫画を読む会」を開催したので、ガラスの仮面もダンボールから出した。 出したら読んでしまう。何度読んでも面白いな。 亜弓さんの男気溢れるマヤの…

石の微笑

漫画「ガラスの仮面」の中で、主人公マヤが人形を演じている最中、母親が死んだことを思ってはらはらと涙を流すシーンがある。 舞台の上ではガラスの仮面をかぶっているマヤの、仮面がはずれる瞬間だ。 瞬きもせずに泣いている時点ですごいのだけど。 ガラス…

銀の匙

銀の匙 Silver Spoon(1) (少年サンデーコミックス)作者:荒川弘小学館Amazon 漫画「銀の匙」が結構好きだ。 北海道の畜産高校に入学した非農家の男の子が様々なカルチャーショックを受けながら農業を学んでいくお話で、1巻、2巻あたりではとにもかくにも食…

うまくいく

アムリタ (上)作者:吉本ばなな幻冬舎Amazon 彼女は確かにとんちんかんな人だったが、いつも自分で決めた。自分で決める力が必要以上強い人だった。服も、髪型も、友達も、会社も、自分の好きなことや嫌いなことも。どんなささいなことも。 それが積み重な…

一年で一番日の長い日

あんたたち、一年中で一番日の長い日をいつも待ち受けていながら、いよいよというときにうっかり過ごしてしまうことあって?あたしはね、一年中で一番日が長い日を待ち受けていながら、いつもうっかり過ごしてしまうんだ。 フィッツジェラルド「グレート・ギ…

見えないと思っていたもの

今日は山友達のおじいさんに上野原の能岳・八重山コースに連れて行ってもらった。 www.yamakei-online.com 前日までの雨で山道はまだ濡れているし、天気も昼間では曇っていたけれど、おかげで足元はふかふか、空気はしっとりで苔や新緑が美しく、とても気持…

クラムボンはわらったよ

やまなし (ミキハウスの絵本)作者:宮沢 賢治ミキハウスAmazon 二疋の蟹の子供らが青じろい水の底で話していました。 『クラムボンはわらったよ。』 『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』 『クラムボンは跳ねてわらったよ。』 『クラムボンはかぷかぷわらっ…

やし酒とピナ・コラーダ

ある日、Amazonが私にとんでもない本を薦めて来た。 やし酒飲み (岩波文庫)作者:エイモス・チュツオーラ岩波書店Amazon 「わたしは、十になった子供の頃から、やし酒飲みだった」――。やし酒を飲むことしか能のない男が、死んだ自分専属のやし酒造りの名人を…

大相撲 5月場所 十二日目

無職の楽しみとして、天気のいい日はベランダで日光浴をしながら本を読んだりする。 昨日、「モモ」を読み終わった。モモ (岩波少年文庫)作者:ミヒャエル・エンデ,大島 かおり岩波書店Amazon 久々に読むと、「これって子供向けなの?」と思うほどドキッとす…

人間失格

そら豆の季節になったのだな。 以前はそら豆の旬なんて知らなかった。知るようになったのは毎年この時期に母親から「そら豆いりませんか」のメールがくるせいだ。 10年近く前のブログにも書いていた。そしてあの時もそら豆に憂鬱になっていた。 昨日、母親か…

家に帰る理由

あの3月11日の震災の日、電車が止まったので、私は会社で一晩を過ごした。 家族のある人達は夕方から続々と歩いて帰宅を始めたり、深夜やっと動き出した電車に乗って行けるところまで帰ったり、渋滞の中、何時間もかけて家族に迎えにきてもらったりしていた…

愛してるの響きだけで

愛情はいくらだって注げる。まるで日本国の水道のように、いくら出しっぱなしにしてもきっとつきない、そんな気がするものね。と何でだかふっと思ってしまったのだ。 吉本ばなな「TSUGUMI」 TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)作者:吉本 ばなな中央公論新社Amazon セ…

アリエスの男たち

春になると頭のネジがちょっとゆるんでしまうことがあるけれど、そんな時必ず思い出す漫画の一コマがある。 まあ、あのボーイズラブコミックスで恐縮なんですけどね。 本仁戻「恋が僕らを許す範囲」より 春になると人より頭がピーになる星の下に生まれた主人…

木の芽どき

なんだかここ最近、変に疲れている感じ…おかしいなあ、と考えてハタと思い当たった。 ああ、そうか、木の芽どきなのか。 木の芽どきが実際にいつかと言うと、「立春から春分まで」と書かれていたり「3月から4月」と書かれていたりでまちまちだけれど、とにも…

ねことじいちゃん 8巻

ねことじいちゃん8【電子特典付き】 (コミックエッセイ)作者:ねこまき(ミューズワーク)KADOKAWAAmazon楽しみにしていた「ねことじいちゃん」の最新刊が届いた。 巻が進むにつれて、じいちゃんが子供の頃のことを思い出すノスタルジックな話が増えていくのだ…

江戸糸あやつり人形結城座 「変身」

お正月にNHKで江戸糸あやつり人形結城座という劇団が紹介されていて、興味が湧いて調べたら、ちょうどもうすぐカフカの「変身」のチケットが発売されるところだった。 変身 (角川文庫)作者:フランツ・カフカKADOKAWAAmazon 「変身」の冒頭の文章は諳んじてい…

いつか

子供がいたらきっと、よその子のことも気になったりするんだろう。 猫と暮らしていると、よその家の猫のことも気になるから、サンシャイン池崎さん家の猫の動画を見れば、自分ちの子のように「あら、風ちゃん、ご飯食べたの?」と話しかけるし、野良猫には敬…

ミニマリストになれなくて

ちょっと語呂が「アンダルシアに憧れて」ぽいけども。 1996年の1月に買った福武文庫、吉本ばななの「キッチン」。 何度も何度も読んで、日焼けもしていたしシミだらけにもなっていた。 そして5,6年前、自分に断捨離ブームが来た時に処分したのだ。「TSUGUMI…

あれはいいものだ  -富岡八幡宮骨董市-

キシリア様に届けたい壺。 昔、両親が骨董市にハマっていたことがあり、毎週のように週末の朝早く、あちこちの神社やらに出かけていた。 そうしては、本物か偽物かは知らないが中国古代青銅器だと噂の泉ピン子そっくりの置物だとか、王貞治そっくりの石仏な…

胸を震わす

チョン・キョンファというヴァイオリニストが好きだ。 繊細なだけの美しい音ではなくて、大地に仁王立ちになって運命を見据えるような、戦火を越えてきたような、力強い音で心が震える。 この人のシベリウスを聞くと、戦火に焼かれたヨーロッパの石畳が見え…

手に入らないもの

2011年のツイート、もう消えてしまっているみたいだけど、ずっと気になっている。 英国人が書いたお茶に関する本に、英国、中国、日本のお茶についての記述があり、日本だけおかしかった。英国はお茶を入れる温度や一緒に食べるケーキ、中国もおいしい淹れ方…

寒いね

「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ 俵万智 寒くなると必ずこの短歌を思い出す。 昨日、衝動的に「サラダ記念日」を買ってしまった。 サラダ記念日 (河出文庫)作者:俵万智河出書房新社Amazon 初めて読んだのは中学生の時。 友達が持…

詩歌川百景 2巻

詩歌川百景(2) (flowers コミックス)作者:吉田秋生小学館Amazon昨日、詩歌川百景の2巻が発売になって、早速買って読んだ。 映画を一本見るのと同じくらい、情報量が多くて、ゆっくり丁寧に読み進めた。 吉田秋生の物語は、サリンジャーのグラース家の物語…

大人の食べ物

10年くらい前に読んでからずっと頭に残り続けている文章がある。きのこブック (コロナ・ブックス)平凡社Amazonコロナ・ブックスから出ている「きのこブック」と言う本の中の文章だ。 この本の前半は、たくさんのきのこの説明が美しい写真とともに載せられて…

みんなちがってみんないい

Twitterでこんな漫画を読んだ。おみそ汁の大根の話。 pic.twitter.com/3mlw5sd6UG— 愛田ぱん(連載中) (@pan_aida) February 4, 2022 mobile.twitter.comそれでいろいろ思い出した。 大根の切り方がどうとかって言うより、「他の家のはこうじゃないはず、恥ず…

ダメにする罠

つるにょうぼう (日本傑作絵本シリーズ)作者:矢川 澄子株式会社 福音館書店Amazonこの前、木馬亭で浪曲「鶴女房」を聞いた。有名な「鶴の恩返し」の話だ。 絵本でも読んだし、日本昔ばなしでも見たし、小学校の劇でも演じたことがあるので話はよく知っている…

実際問題

もう亡くなった祖母は読書が好きな人だったけど、いつだったか言っていた。 「おばあちゃんね、最近もう小説とかあんまり読まないの。エッセイとかノンフィクションとかね、そういうのが好き。空想の物語じゃなくてね。ホントのこと」 先日、美容院で待ち時…

スーパースター

いよいよ明日が忠臣蔵の討ち入りの日で、あちこちであれこれ忠臣蔵の話を聞く。 そんな中、Twitterでみかけたのがこのマンガで「忠臣蔵とか正直苦手な人」忠臣蔵とか正直苦手な人 1/12#ひらばのひと pic.twitter.com/sjBM6I8oHK— 久世番子 (@bankolan) 2021…

ぬくぬく

弟が山芋を持ってやってきた。 弟の知人が北海道の農協で働いているそうで、毎年送ってくれるのだそうだ。 それを私がいつもおすそ分けしてもらっている。 毎年、この時期山芋をもらっては子供の頃に読んだ絵本を思い出す。ぬくぬく (こどものともコレクショ…