そういえば

帰ってきたおばあさん。

うまくいく

彼女は確かにとんちんかんな人だったが、いつも自分で決めた。自分で決める力が必要以上強い人だった。服も、髪型も、友達も、会社も、自分の好きなことや嫌いなことも。どんなささいなことも。
 それが積み重なって、後に真の「自信」というフィールドをかたちづくるるような気がしてならない。
 その人がその人であることは、壊れてゆく自由も含めてこんなにも美しい、人に決めてもらえることなんて何一つ本当じゃないんだな、としみじみ光るように生きる彼女を見ていて私はよく思った。

埼玉県こども動物自然公園

たとえうまくいってなくても、顔を上げて、目を開いて、うまくいくようなムードを発散しているうちに、無理やり「うまくいく」を自分に引き寄せてしまうのだ。何度も見た。その見事な手腕、意志力。
 まねできない。


吉本ばなな「アムリタ」の中で好きな場面。
こんな風になりたい、とずっと思っていたし今も思っている。

シンガポール ジュロンバードパーク


一つ扉が開くと、一歩進んではまたあれこれと悩み、昨日は良く眠れなかった。
それでずっと、アムリタのこの文章を思い出していた。


うまくいく、大丈夫。さあ寝よう。