そういえば

横浜→仙台へ移住したばかり。

箸が転んでも

【箸が転んでもおかしい年頃】
日常ごく普通のできごとにもよく笑う年頃。特に、女性の十代後半をいう。

確かに私も高校生の頃に言われたことがあるけど。


お正月にたまたまTVKで「鬼平外伝 正月四日の客」を観ていた所、間に流れるCMで活動弁士付きの無声映画鑑賞会があると知って興味本位でチケットをとった。
以前に「カツベン」という映画を観たことはあるけれど、実際に活動弁士が付いてる映画を見るのは初めてだ。
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会場についたら驚くことにぎっしり満席だった。それもコロナ仕様のスカスカ満席じゃなくて、本当に全席埋まってる。
出てきた弁士は坂本頼光さんという方で、「カツベン」にも出てたんですって。もう一回「カツベン」観なきゃ。

まずは短いコメディ映画から。

ローレル&ハーディ

  • 「世紀の対決」(1927年 アメリカ MGM)
  • 「リバティ」(1929年 アメリカ MGM)

世紀の対決は元祖パイ投げだ。もうパイが出てきた瞬間から笑い出すおばさま方がいる。
そこから笑っちゃう?ちょっと笑いの沸点低すぎでは?、と思いつつ、私も笑っちゃう。
十代の娘は箸が転んでもおかしい年頃って言うけど、いやいや、50、60のおばさま方も十分、箸が転んでもおかしい年頃だと思う。
綾小路きみまろや、さだまさし松山千春トークに笑い転げているのもおばさま方よ。


でも周りにこういうゲラゲラ笑う人がいるっていうのはいいな、と思った。
家で一人でコメディ映画を観ても笑うけど、でも誰かが自分より先に笑って、それにつられてなんでもないことでも面白くなっちゃうのって幸せなことだと思う。それは一人じゃできないことだからね。

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「リバティ」は高層ビルの建築現場が舞台のコメディで、私は高いところが怖くてずっと手のひらがビリビリしびれていた。面白いけど、危なくて怖くてヒヤヒヤしっぱなし。
コメディだけど、正に「手に汗握る」だ。
私はそうして、汗をかいた手を握りしめ、黙ってヒヤヒヤしてたけど、箸が転んでもおかしいおばさま方は違う。たまりかねて「こわーーーい」と言い出す。
かわいいな、おい。
おばさまと若い女子との違いってなんだ、どっちも同じ素直な反応してるじゃないか、としみじみする。


お次は千恵蔵様

番場の忠太郎 瞼の母

製作年:1931年
製作:片岡千恵蔵プロダクション
監督・脚色:稲垣浩
原作:長谷川伸
【キャスト】
番場の忠太郎:片岡千恵蔵
水熊のおはま:常盤操子
お登世:山田五十鈴
金町の半次郎:浅香新八郎
板前の善三郎:香川良介
素盲の金五郎:瀬川路三郎
鳥羽田要助:林誠之助
老夜鷹おとら:沢村 春子


こっちはコメディじゃないので真剣に聞く。間に入る字幕のフォントや文字のレイアウトが漫画的におしゃれで感動する。
そして片岡千恵蔵がカッコいい!!アップになったときの眼力。ショックを受けた顔。すぐ泣いちゃうかわゆさ。いい!!
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弁士の坂本頼光さん、プロだから当たり前とは言え、一人一人の声の演じ分けがすごい。浪曲師の人達もすごいけど活動弁士もこれができないといけない職業だったんだなあ、と今更気づいてびっくり。あと片岡千恵蔵の声と喋り方、すごい上手。素敵だった。


素直なおばさま方はこの映画でもやっぱり素直で、ちょっと泣いてたり、溜息ついたり。

昨日の勢いのまま、今日はAmazonプライムビデオで「國士無双」を見た。これも坂本頼光さんの活弁入りだ。amazonで見れるなんてラッキー。
もっと活動弁士が付いてる映画が見たくなった。


世の中、面白いものがたくさんあるなあ。