そういえば

横浜→仙台へ移住したばかり。

散歩がてらにお気軽に

今、You Tubeを探しても全然出て来ないが、昔のファッションセンターしまむらの歌を折に触れて思い出す。

新しい今日 新しい明日
輝きあふれるひとときがあなたについてやってくる
散歩がてらにお気軽にファッションセンターしまむら


中学生の頃、国道沿いのしまむらでこの曲を延々聞いていたもんだ。あれ、結構名曲だったのに復活しないんだろうか。


昨日は農協の直売所で買い物をしたあと、友人鮭太郎が「ついでに秋保でも散策しよう」と言い出した。
秋保には以前、芋煮をしに来たことがある。猫が我が家にやってくる直前だ。

2018年の秋


あの時は本当に驚いた。ともかく河原中で人々が煮炊きをしているのだ。
しかもまるで遺跡のごとく、先人が石を積んで作ったかまどが残されており、それを活用しながら次の者が煮炊きをする。何万年かあとに発掘されたら「古代人がここで煮炊きをした」とか言われるんだろうなあ、と私はしみじみ眺めていた。

もちろん我々も芋を煮た。


そんな思い出の秋保。大昔に磊々峡に来たこともある。ご立派なホテルの連なる温泉街だったが、ふらっと気軽に我々は行けるのか…と驚きながら車に乗っていた。
仙台に来てからこっち、もうずっと、延々と驚き続けているのだ。



秋は芋煮の民で混み合う秋保渓谷は、夏は川遊びの子どもたちで賑わっていた。そしてそんな子どもたちを眺めながらおしゃれロッジでお茶をして、天守閣公園へ。


akiu-sizen.co.jp


秋保摂津守が築いた山砦を元にした庭園とのことだが、この庭園が素晴らしすぎた。入園するなり水琴窟が派手に鳴り響く。かそけき音じゃない。トタン屋根に雨が落ちるくらいの音だ。



そんな音を聞きながら足湯に浸かる。
あたりはヤマユリが満開で、ゆりの香りが漂ってくる。しかし東北なので、あじさいもまだ全盛だ。更にはひぐらしが切なげに鳴く。



私はもう、東北の季節感が全くわからなくなっている。6月の花、あじさいが咲いていて、7月らしくヤマユリが咲いて、でも8月の終わりのようにひぐらしが鳴く。これらが同時進行なのだ。



おまけにアジサイは山の斜面にワイルドにどんどん咲き誇る。こんなのアレだ。「世界の中心で愛を叫ぶ」で若かりし綾瀬はるか山田孝之がキスするとこだよ。



栗林公園が素晴らしいとか、清澄庭園だ、浜離宮だ、偕楽園だとか言うけど、みんなこの素晴らしい「天守閣公園」を知っているか。人も少なくほぼ貸し切りで足湯が2箇所もあり、素晴らしすぎる庭園だぞ。もう年間パス買いたいくらいだ。
…と興奮していたが、一気に冷静になった。
美しい庭園の一角に水田があったのだ。



…庭園に水田が!さすが東北。さすが米どころ。
この人達と来たら、本当に隙あらば米を育てるのだな。


散歩がてらに来た秋保。帰り道、高速を降りて私は絶句した。



果てしなく広がる水田。その真中を突っ切って車は進む。
鮭太郎は言う。「もう家の近くだよ」
嘘!そんなの絶対嘘。こんな景色の近くに我が家が?いやいや、嘘だろ。


驚いたことに、これは近所の大きなドラッグストアの裏手だった。
あの店の裏は見渡す限りの水田だったのか。…恐ろしい。


私は、散歩がてらにお気軽に秋保渓谷へも素敵な庭園へも行けるし、延々と広がる水田を眺めることもできるのだな。
いつかこれに慣れるんだろうか…。慣れる気がしない。