そういえば

横浜→仙台へ移住したばかり。

立板に水

英語や中国語を数年一生懸命勉強していたら、その反動か「すごい日本語が聞きたい!」と強く思った。
それが浪曲や講談や落語を聞き始めた理由だ。
語呂が良くて調子が良くて掛詞が上手で、とうとうと勢いよく滑舌良く語られる日本語。


パッと最初に頭に浮かんだのはもちろん寅さんの啖呵売だ。

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いつ聞いても惚れ惚れする。こういう人から買い物をしてみたい。


お正月に浅草に行ったら、たくさんの出店があった。七味唐辛子や達磨なんかも。コロナ禍だからみんな静かにしていたけれど、昭和の頃だったら、まだ寅さんみたいな人がたくさんいて、呼び込みや威勢のいい掛け声がたくさんかかっていたんだろうな。


子供の頃、一度だけしんこ細工を見たことがある。
おじさんが小さな糸切り鋏を使ってお餅に切り込みを入れたりちょっとだけ色をつけたりしながらいろんな動物なんかを作るのだ。話がとてもおもしろくていつまでも眺めていた。あの仕事がやりたくて、カラー粘土を買ってもらって一生懸命練習をしたりもした。
作るのは練習できても口上の練習ができなくて困った。

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NHKグレーテルのかまどのしんこ細工

手芸みたいに趣味でかわいいものを作るとか、ただ黙々と大作を仕上げるとかじゃなくて、おしゃべりで人を楽しませながら上手に作るのが素晴らしかったんだよな。


中学生の頃、浅草の酉の市で見た七味唐辛子屋さんも、お客さんの注文を聞きつつ、あれこれ上手いことも言いながら上手に調合していった。
商品を売るためのあの威勢良い小気味良い啖呵、ああいうのも話芸として残してくれたらいいのに。
DJポリスがあれだけ話題になっていたんだからきっと今だって需要は十分あるのでは。


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威勢のいい啖呵売とは違うけど、独特な喋り方をするジャパネットたかたの社長さんによる講演会が近々会社であるらしい。
同僚たちは「面白そう!」と申し込んでいたが、私は申し込まなかった。
だって、こたつ布団2枚くらい売りつけられてしまいそうだもの。
私、うまいこと言われると弱いんだもの。