退治てくれよう
節分だから、という訳ではないが、今日は桃太郎侍を見た。
カッコいいわあ、高橋英樹。
英樹が醜いこの世の鬼をスカっと退治してくれたから、今日は豆をまかなくてもいいくらいだわ。
大学の頃は社会学を専攻していた。入学してすぐの授業で先生は言ったものだ。
「僕は各地のお雑煮を研究しているんですよ。お雑煮って地域で全然違うんです。皆さん知ってますか」
ああ、これからこういうことを勉強していくのか、面白いなと思った。
そして、それ以降、私が気になっているのは節分の豆まきのバリエーションだ。
まず、豆まきの基本的手順は概ね下記の通りだ。
豆まきの基本的手順
- 福豆を準備する
- 豆は夜まく
- 豆をまくのは家長
- 「鬼は外、福は内」と言って豆をまく
- 豆を食べる
そしてこの基本的手順に、あれこれのオプションや注釈がつけられていきバリエーションが生まれるのだ。
豆まきの付帯オプション・注意事項
①福豆の準備
- 豆を炒り、豆まきをする夜まで枡、または三方に入れて神棚に供える
- 神棚がない場合、家の高いところに塩と一緒に供えておく。または白い紙を敷いてお供えする。
- 豆を炒り、神棚に供えることで初めて福豆と呼べるようになる
- 福豆の用意は日暮れまで
- 落花生の場合は殻付き
②豆をまく時間
- 豆まきは午後8時~10時頃開始する
- 家族全員がそろってから始める。
- 鬼は真夜中、特に午前2時~2時半にあたる丑三つ時にやってくると言われていて、その時間に合わせて豆まきを行わないといけない
③豆をまく者
- 本来は家長の役目だが、年男、年女、厄年の人が豆まきをする場合もある。
- 年男or厄年の男性(いなければ一家の主)
- その家に男がいない場合は一番腕力の強い者
- 地域によっては小学校6年生が中心になって行う
- 豆をまく人は家長ひとりで他の者は声を掛けるだけというのが正しいスタイル
④豆まきに際しての行動・掛け声
- 家長の後ろに家族全員が並び、家長の掛け声で豆をまく。一番後ろの者が窓や扉を締める。
- 奥の部屋から順番に鬼を追い出すようにして最後は玄関までまく。
- 「鬼屋敷」「鬼頭」など鬼のつく名字の家は「鬼は外」は言わず「福は内」のみ。
- 【東北地方】鬼は外、福は内、鬼の目ん玉ぶっ潰せ
- 【京都の一部】「鬼は外、福は内」と豆まきをする人のほかに、すりこぎ、しゃもじ、扇などを手にした人が「ごもっとも、ごもっとも」と合いの手をいれる。
- 【茨城県つくば市鬼ケ窪】「あっちはあっち、こっちはこっち、鬼ヶ窪の年越しだ」と声を掛ける
- 【東京 浅草寺】観音様の前には鬼はいないという考え方から、「鬼は外」とは唱えず、代わりに「千秋万歳 福は内」と掛け声を掛けながら豆まきが行われる。
- 【群馬県藤岡市鬼石地区】鬼が投げた石で出来た町という伝説があるため「福は内、鬼は内」
- 【埼玉県秩父市三峯神社】裃を着た年男が「福は内、鬼は外、福は内」と唱えたのち、後方に控えた介添えの方々が「ごもっともさまぁ」と大きな掛け声をあげ、ごもっとも様(檜のすりこぎ棒型の象徴的なもの)を前方に突き出し、福枡の豆がまかれる。
- 【奈良県吉野郡金峯山寺蔵王堂】「福は内、鬼も内」
- 【長崎県長崎市】異装の「モットモ爺」を中心とした3人組が家々を訪問し、豆まきとともに「もっともー」と叫びながら、床を激しく踏み鳴らし、杖で激しく突いて、なまはげのように子供たちを驚かせる
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こわすぎる…。でもなんかほのぼのして泣いちゃう。
⑤豆を食べる
- まいた豆をひろって食べる
- 年の数だけ豆を食べる(満年齢)
- 自分の年齢よりも1つ多く豆を食べる。(数え年)
- 数え年とは関係なく「来年も」という意味で一つ多く豆を食べる
- 数が多くて豆が食べきれない場合には、福茶を飲んでもよい。
その他
埼玉県宮代町の五社神社というところでは節分行事としてみかんが投げられるらしい。
しかも、大豆→落花生→みかんという変遷を経たのだそうだ。ユニーク。
みかん投げは、旧暦の季節が冬から春に変わる立春の前日に行なわれる節分の行事です。
毎年2月14日に行われ、その年の厄年の人たちが集まった人たちに向かって奉納したみかんをまきます。
昔は、一般的に行なわれている豆まきが行なわれていましたが、第2次世界大戦後に落花生に変わり、40年程前からみかんを投げるようになりました。
このみかんを食べると風邪をひかないといわれています。
参照
節分は地域で違いがある!興味深い特色や風習とは?|村松山 虚空蔵堂だより
豆まきのかけ声は? - ウェザーニュース
伝統歳事「節分」のルーツを紹介|暮らしのマナー - おうちに帰ろ
家族全員で豆まきはNG…⁉ 節分の意外と知らない「怖いルール」3つ – 文・脇田尚揮 | ananweb – マガジンハウス
ここまで、調べたら、もう節分お腹いっぱい。散々退治した気持ち。
これからいよいよ鬼が来る時刻になるだろうが、我が家の守護神・猫に成敗を頼んで寝る。