昔、フジテレビがまだ元気だった頃にやっていたワンナイR&Rで、笑っていいともを沖縄風にアレンジしたコントがあった。題して「笑っていいさぁ」で、ゲストは具志堅用高と羽賀研二ばっかりなのだ。
あれを見てゲラゲラ笑っていたけれど。
仙台の友人鮭太郎は、私の引越し後何かと気にかけてくれて「片付けの様子はどうか」「テレビは設置したか」と仕事中でもLINEをしてくれた。
あまりの惨状にテレビは後回しになっていたのだが、鮭太郎は言う。
「うん、まあ地元のローカル番組見てほしいから。いろいろ情報あるから」
そうか、ローカル番組で地元の情報が見れるのか。
テレビをようやく設置したら地上波が映らなくて焦ったが、なんのことはない、テレビの設定が神奈川になっていたのだ。仙台に直して受信したらテレビのチャンネルはNHK含めて6個しかなかった。BSも電波は悪いけどなんとか映った。
そんなわけで今日はお昼ごはんを食べる時にテレビをつけたところ、NHKでさえ地元仙台放送局の番組ではないですか。そうか、首都圏だったらどこにいたって首都圏版だけど、仙台にいたら流れるのは仙台放送局分なのか、としみじみ。
そしてこの「定禅寺しゃべり亭」という番組の今日のゲストはさとう宗幸だ。
鮭太郎曰く、さとう宗幸は民放の情報番組にも毎日出ているとのことだ。
なんだなんだ、仙台にはさとう宗幸しかいないのか。
この番組をみたおかげで、私はすっかりさとう宗幸に詳しくなった。
彼は元々音楽が好きで、ベトナム反戦歌でギターを覚え、音楽を志すも周囲の影響もあり、大学卒業後は普通に東京の会社に就職したそうだ。しかし音楽への思いが断ち切れず、仕事を辞めて仙台に戻り、ローカル局でラジオパーソナリティを務め、そこでの公募により青葉城恋唄が生まれたとのこと。そして青葉城恋唄は大ヒットし、紅白にも出場したのだそうだ。
その後、若かりしさとう宗幸の青葉城恋唄も流れたし、年齢を重ねた現在の青葉城恋唄も聞いた。
なんてわかりやすい洗礼だろうか。
仙台と言えば青葉城恋唄なのは知っていたし、それがさとう宗幸の歌であることも知ってはいたが、引っ越してそうそう、こんなにも青葉城恋唄の洗礼を受けるとは。
おかげで午後の片付けはずっと、青葉城恋唄を口ずさみながら進めるハメになった。
♪時はめぐりーーーーまた夏が来てーーーあの日と同じ七夕まつりーーーーー♪
今年は七夕まつりも行くんだ。秋ははらこ飯食べに行くし、多分芋煮もやる。冬は蔵王に樹氷を見に行く。
「私、今日、仙台の洗礼受けて青葉城恋唄を二度も聞いたわよ。なんかNHKのローカル番組で」と告げた所、鮭太郎は「ああ、定禅寺しゃべり亭ね」と即答だった。
なんで即答なの。そして更に「OH!バンデス、も見てね」とのこと。
それこそがさとう宗幸が毎日出ている番組らしい。私はこれからそんなにもさとう宗幸を見なければいけないのか。
頭の中に、ワンナイR&Rの具志堅用高が浮かんで、「なんか、沖縄で言うところの具志堅用高みたいな感じだね」と言うと、鮭太郎は「そうねえ!そんな感じよ」と澄まして答えた。あとは森公美子がよく出るらしい。仙台の温泉旅館の娘なんだそうだ。
いやはや、仙台と言えばサンドウィッチマンばかり見ることになるのかと思っていたが、さとう宗幸だったのか。
テレビの番組表には「宗さん熱唱」との文字があった。
宗さんと言えば、元ソフトバンクの川崎宗則という印象だったが、今後はさとう宗幸になるのだな。
こうして日々、私は仙台民となっていくのだなあ。