そういえば

帰ってきたおばあさん。

ダメ絶対

ここ最近、ずっと書いているように、仙台に来てから自家製お野菜を頂く機会が多い。
素晴らしいお野菜だ。
今日も会社の向かいの席の方が、どこかからまわってきたきゅうりをそっと机の引き出しにしまっていたので、本当に仙台ではあちこちで野菜が流通しているのだなと思う。


そういう時驚くのが、この人たちの「食べ物を育てる才能、食べ物を信じる力」だ。
かつて一度ベランダで野菜を育ててみたことがある。
だけど、どうしても、自分が育てたこの貧弱な草が、食べられる野菜だと信じることができず、怖くて食べられなかった。
あの時、「自分は誰かが作ってくれた食べ物を消費することしかできない人間なのだ」と思い知った。

5月の水田


しかし最近、ここらの人達は「食べ物を信じすぎているのではないか」と不安になることもある。


先日、友人鮭太郎に定義山に連れて行ってもらった。定義山、結構な山奥にあるが、東北の人はどんな山奥だろうと水田を作るのだな、と驚きながらの道中だった。
もちろん定番の三角油あげも食べた。本当の本当に美味しかった。


一生一度の大願を叶えてくれる定義山
この仙台で猫と一緒に、お金に困らず食べ物に困らず住むところに困らず、健康で楽しく幸せに穏やかに暮らせますように。
それが私の大願だが、それとは別に小さな願いで言えば「皆がその辺のきのこを誤って食べませんように」だ。


定義山のお庭、あちこちにきのこがすくすくと生えている。



こんなのが生えていたら、そりゃあ宮沢賢治だって「たくさんの白いきのこが、どってこどってこどってこと、変な楽隊をやっていました。」なんて書きたくなるよなあ、としみじみするくらいどってこどってこしたきのこだ。
友人鮭太郎は言う。「エリンギかな?これ食べられるんじゃない?」


ダメだから。そういう、そのへんに生えているきのこをカジュアルに食べるのやめて。



「でも、火を通せばいけるんじゃない?」
鮭太郎は食い下がる。


やめろ!!どうしてあなたたちは、産直市場にあれだけきのこが安く山積みにされているというのに、ここらのきのこを食べたがるの?
火を通せば、とかって勝手な判断をしている人が毎年何人も何人も食中毒になっているんですよ?私はそれらを表にまとめていたんだよ?


nine-billion.hatenablog.com


そう伝えるが彼女は「おもしろいことするねー」とニコニコするだけだ。本当にやめろ。



あまりの衝撃にブレブレ写真だが、鮭太郎はこれを「絶対なめこだって!」と言い張る。
素人がきのこを勝手に決めつけてはいけないんだよ、鮭太郎。
そのへんにトマトや茄子や枝豆がカジュアルに生えている環境に育ったからと言って、きのこを安易に信じるな!


私は啓蒙のためにも、この秋、またきのこ食中毒のリストをきちんと作り直さなければならないなと心に誓った。
そのへんに生えているきのこを勝手に信じない、取らない、食べない。
このきのこ3原則は絶対に守らせる。