そういえば

帰ってきたおばあさん。

見守る


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昔のドモホルンリンクルのCMはすごく印象的だった。
コラーゲンを一滴一滴見守るのだ。あの頃、「見守る仕事したいーー」なんてみんなで話したものだった。


しかし、見守るというのはなかなか簡単なことではない。
今にして思えば、ドモホルンリンクルの見守る仕事なんて、5分で眠りについてしまうだろうし、3日位で「もう目が痛いし退屈だし苦痛でしかない」と退職を願い出るのではないかと思う。


例えば子供や猫の成長をそっと見守るのだって楽じゃないだろう。あれこれ口を出したくもなるだろうし、「猫め!かわいいなあ!!」とちょっかいを出したくもなる。
植物の成長だって、じっと見守りつつも、水をやりすぎたり、あれこれ気にしすぎたりすることもある。

庭園の花々はプロに見守られ、程よく手入れされている。


これが「黙って見守る」ということか、と初めて実感したのは、実家がルンバを買ったときだった。
私はただただ、あの子が働くのを見ていた。そばをついて歩いたりはしたけれど、手出しも口出しも一切しなかった。あの子が壁ぎわで行き詰まってくるくる回っていても「あらあら」と笑いながら見守ったし、私の思った通りのそうじではなく、ビリヤードのような対角線コースを通ったとしても「好きにおやりなさい」と見ていた。
孫を見守る老人のようだな、と我ながら思った。



今日、私はまたしてもきちんと「見守る」ことができた。
初めてのジェルボール洗剤を使っての洗濯。きちんとジェルボールが溶けるのか、きちんと洗濯がされているのか。
洗濯機の前でただただ見つめ続けた。


仙台は今日から2週間くらいずっと天気予報が雨マークだ。それで同僚おすすめの部屋干し用アリエールを買ったのだ。
「アリエール、いいですよ、臭くならない。ジェルボール使ったことないんですか?なんなら明日、二粒くらい持ってきましょうか」
同僚はそう言ってくれた。優しいな。でも大丈夫、ちゃんと自分で買うから。
 

洗濯機の守護神


会社帰りにアリエールを買って、早速洗濯してみた。初めてのジェルボールは思ったよりもぶよぶよだった。良かった、同僚に持ってきてもらわなくて。カバンの中で破裂させてしまうかもしれなかった。


この洗剤、最初に空っぽの洗濯機に放り込んで、ある程度水を注いでから洗濯物を入れるらしい。うっかり、後入れにしてしまったこともあり、ちゃんと溶けるのか見守ることにしたのだ。


洗濯物がすべて水に浸かっていないのが気になっても手は出さなかった。洗濯機が手を変え品を変え、水流を変え、回転を変え、あれこれと試すうちにすべての洗濯物が水に浸かり、上下が反転したりする様をただずっと見ていた。


夕飯も食べずに。


まあ、要はヒマなんだな。