そういえば

横浜→仙台へ移住したばかり。

訪問者

家で仕事をしていたら、玄関のチャイムが鳴った。
インターホンで出ると若いお兄さんが「近所に店をオープンしたのでご挨拶に来ました。チラシとボックスティッシュをお配りしていますので、お話させてもらえませんか」と仰る。


こういう時、なんだか断れなくて出ちゃって、いつも途中で「ああ、インターホンの時点で断ればよかったなあ」と思うのだけど、今日も出てしまった。
お兄さんは近所にオープンしたリサイクルショップから来た人だとおっしゃる。近所のどこだか知らないがそんなものがオープンしていたのか。
そして何でもいいから不用な物を買い取らせてほしいと言う。

琴電琴平駅前に積み上げられた不用品の山


「いやー、特にないですね」とお断りするもお兄さんも粘る。
古いバッグとか、アクセサリーとか、アクセサリーのケースだけでもいいんですよ、使用済のテレカでも。おもちゃの指輪とかでも、との事。
さっき行ったお宅ではこんなものを買い取りました、「うちはもう不用な物はあとは旦那しかないわよ」って言われました、などとフレンドリーにいろいろお話をしてくれる。


それでそんなに言うなら、ともういらないアクセサリーとバッグを出してみた。「お金はいらないのでどうぞ」と言うも、「それだと盗品になっちゃうので、絶対お支払いはしないといけないんです。ちょっと金額を確認しますので」との事でiPhoneを取り出したお兄さん。
待受は子供の写真だ。なんでもお兄さんは25歳で、1歳半の息子さんがいるらしい。そしてこの近所の出身だそうだ。


その後、品物は受け取らないまま「ちょっと確認の返事を待っている間、他のお宅にもご挨拶に行って、また来ますね」とのことでお兄さんは去った。
そして戻って来なかった。

戸部の居酒屋


あれは一体なんだったのだろう。
ネットで「リサイクル業者 訪問買い取り」と調べると不穏な話しか出てこない。やれ「返って高額の請求をされた」だの「泥棒の下見」だの。


そうなのかしら。そして「この家本当に何もなさそうだな」と呆れて去って行ったのかしら。
あのiPhoneの待受の子供の写真も、いろんなエピソードも全部仕込みなのかしら。
疑いだしたらキリがないし、不安になって怖くなる。


その一方で脳内で武田鉄矢が朗々と「贈る言葉」を歌ってもいる。
「信じられぬと嘆くよりも、人を信じて傷つくほうがいい~♪」
まあ、そうよね。そうだけど、人を信じて心が傷つくだけなら別にいいんだ。押し込み強盗とかで命が危険に晒されるのは困る。


お兄ちゃん、明日は来るかしら。「昨日はすみません、忙しくてー」とか言いながら来てほしい。
そうじゃないと疑ってしまうから。
やれやれ、全く、次からは絶対、セールスはインターホンの時点で断ろう。
頑張って断ろう。


そういえば、チラシもボックスティッシュももらっていないな。