そういえば

横浜→仙台へ移住したばかり。

Let's Groove

私が子供の頃はまだ、戦争がそれほど遠い記憶じゃなかったので、大人たちは事あるごとに反戦を訴え、私は小さな頃からイヤというほど原爆の話を聞き、原爆ドームの写真を見せられてきた。
写真は飽き飽きするほど見てたけど、14歳で初めて原爆ドームに行った時、絶句した。

2014年広島


写真と現実では全然違った。
川辺に吹き飛ばされた大きな石に、ぐにゃりと曲がった太い鉄筋に、爆風でズレた石垣に、やっと今まで聞いてきた話が実感として胸に迫った。

ベトナム ビンタイ市場


世界中にたくさんの人が生きていて「みんな同じ人間だ」なんてことは当たり前のように語られてきたけど、それを初めて実感できたのは大学生の時に国際交流団体で韓国に行った時だ。
行く前は韓国人にイライラしていた。時間にルーズだし、書類関係の処理も遅れがち。
「文化が違うから仕方ないけどさ、ちゃんとやってほしいよね!」と思っていた。


まだ韓流ブームも始まる前の韓国に、あの時実際に行って、韓国側のメンバーと2週間べったり一緒にいて、それで初めて私は当たり前のことを当たり前に理解した。


「あ、なんだ、みんな美味しいものが好きだし、楽しいことが好きで、痛いことは嫌い、ダメなところもある、優しいところもある、誇りもあって夢もある、同じ人間なんだ」

2016年 バルセロナ


それはまるで「水」という言葉がやっと現実の水と結びついて「これが水か!!」と理解した時のヘレン・ケラーみたいな衝撃だった。


「みんな同じ人間」だなんて本当の本当に当たり前のことなんだけど。
でも、遠くにいるから、知らない人だから、言葉が違うから、文化が違うから、簡単に「何か別のルールで生きている別の星の人」みたいに思ってしまう。
本当はみんな、楽しいことやあったかい布団が好きなだけなのに。


ここ最近、ものすごくハマって何度も見てしまう動画がある。



ロサンゼルスのダンススクールで、みんなが順番にノリノリでEarth, Wind & Fireの「Let's Groove」を踊る動画。
多分、一生懸命練習したんだろう。子供も大人もいるし、赤ちゃん連れもいて、みんなものすごく楽しそう。
みんなの楽しそうな顔や、小さな子供に気を配りながらもノリノリで踊るお母さんを見たら、人間っていいもんだな、と胸がいっぱいになって泣きそうになるくらいだ。



これを見てたら「みんな楽しいことが好きな同じ人間だ」ってことを思い出せる。そして私もいい笑顔でウキウキと踊りたくなる。幸い、我が家の下は駐車スペースで家がない。
よっしゃ、ゴールデンウィークは楽しくLet this Grooveだわ。


きっとどこか遠くで誰かが「家で一人でEarth, Wind & Fireでノリノリだなんて、あの日本人も同じ人間なんだな」と思うかもしれない。