そういえば

横浜→仙台へ移住したばかり。

好きなものは好き


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槇原敬之は歌っていた。
「どんなときもどんなときも僕が僕らしくあるために好きなものは好きと言える気持ち抱きしめてたい」
まったくだ。
好きなものを好きと言えない世の中なんてポイズンだ。


好きと言えば、去年から浪曲を好きになり、時々聞きに行っている。
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これは浅草の木馬亭の緞帳で右側に「贔屓与利」とおめでたい感じで書いてある。この「贔屓」という言葉が昔から気になっていた。


小学校で漢字を習った時に先生に言われた言葉を、私はまだちゃんと覚えている。
「貝は昔、お金として扱われていました。ですからお金に関する漢字には貝がつくことが多いのです」
貝はお金。そう思うとこの「贔屓」という言葉、どれだけ貝がついているのだ。
贔屓をする、とはお金をつぎ込むことであり、お金がたくさんないと「贔屓」とは呼べないのか、という厳しい現実まで突きつけてくる。

dengpao90.hatenablog.com

以前にこの記事でも触れたが、「贔屓」という言葉の語源は中国の伝説上の生き物、「贔屓(ひき)」から来ているそうだ。

「贔屓」を古くは「贔屭」と書いた。「贔」は「貝」が三つで、これは財貨が多くあることを表したもの、「屭」はその「贔」を「尸」の下に置いたもので、財貨を多く抱えることを表したものである。「この財貨を多く抱える」が、「大きな荷物を背負う」を経て、「盛んに力を使う」「鼻息を荒くして働く」などの意味をもつようになった。また「ひき」の音は、中国語で力んだ時のさまを表す擬音語に由来する。

恐ろしや、この説明を読むと、古い字では「贔屓」という言葉には貝が6つもついていることになる。お金持ちすぎだ。
たくさんの財貨→財貨を多く抱える→大きな荷物を背負う→盛んに力を使う。
中国人は知っていたのだ、大いなる力には大いなる責任が伴うということを。


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これは以前に上海に行った時に見かけたお店。
どれだけ「金」の字を使うんだ。超お金大好きっぽいな、と思った。
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読み方は「キン」または「クン」、中国語では「シン」
意味は「金銭や財産などが多いさま」「お金が増える」だそうだ。なんて素晴らしい漢字なんだ!


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これは同じく上海の、赤いものをやたらと売る店。きっと正月飾りなどだろう。
店に入ればきっと、あの中国人の玄関にやたら貼ってある春聯(しゅんれん)なんかもあるだろう。

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玄関の両脇と上に貼るんだそうで、ともかくめでたい言葉が書いてある。
「春よ来い、喜びよ来い、そして富よ来い」「福と金と平和」みたいな感じだ。


ここまで見てきて思うのだ。中国人のこの素直さ。お金大好きさ。
「お金の話をするなんてはしたない」だのと教育されてもじもじしてきたが、私も好きなものは好きと言いたい。
お金が大好きだ!!


そしてお金が増える「鑫」の字を使いまくり、玄関に「富よ来たれ!」と貼りたい。
そして財が増えたなら、力士やら何やら、いろんなものを贔屓するのだ。